
DV相談記録テンプレート完全ガイド(2026年版):AI活用と安全管理
配偶者暴力相談支援センター・シェルター相談員向けの相談記録作成ガイド。初回インテーク、危機介入・危険度アセスメント、安全計画、保護命令申立の記録テンプレートをすぐに使える形で提供します。AI活用時の個人情報保護指針も解説。
DV相談記録テンプレート完全ガイド(2026年版):AI活用と安全管理
DV相談員の一日は、相談を聞くだけでは終わりません。
深夜の緊急電話対応、裁判所への同行、シェルター入所手続き、保護命令申立書の作成、関係機関との連絡調整——そのすべてが記録として残さなければならない業務です。
書類作業に費やす時間は、支援が必要な被害者から離れる時間です。AiDocxが記録を自動化し、安全支援に集中できます。
このガイドでは、DV支援に特化した記録テンプレートと、AI活用時のプライバシー保護指針を提供します。
DV相談記録が通常の相談記録と異なる理由
法的証拠としての機能
DV相談記録は、刑事・民事手続きにおける証拠として提出されることがあります。危険度アセスメントの結果が保護命令の司法判断に影響することも少なくありません。記録の精度が、被害者の安全に直結します。
危険度評価の位置づけ
危険度アセスメントは臨床的観察であると同時に、法的文書としての性格を持ちます。記録の保存方法、アクセス権限、保存期間を通常の相談記録と区別して管理する必要があります。
多機関連携
被害者は通常、警察・検察・福祉・住宅・医療・子ども家庭支援センター・入国管理などの複数機関と同時に接触しています。正確でタイムスタンプのある構造化記録が、機関間の連携を支えます。
根拠法令
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法) が基本的な枠組みを定めています。保護命令(接近禁止命令・退去命令)の申立手続きは裁判所に対して行います。
相談窓口
- DV相談ナビ:#8008(最寄りの相談機関に転送)
- 配偶者暴力相談支援センター(各都道府県)
- 女性の人権ホットライン:0570-070-810
- 緊急時:110(警察)/ 119(救急)
DV相談記録テンプレート
テンプレート1:初回インテーク記録
DV初回インテーク記録
相談日時:___________ 相談員ID:___________
相談形態:□ 来所 □ 電話 □ メール・チャット
通訳:□ 不要 □ 必要(言語:___________)
【相談者情報(厳重管理)】
呼び名(本名でなく可):___________ 年齢層:___________
安全な連絡方法:___________ 連絡可能時間:___________
同伴児童:□ なし □ あり(年齢:___________)
在留資格(開示があれば):___________
現在の居場所:□ 安全 □ 危険
【加害者情報(加害者には開示しないこと)】
被害者との関係:___________
加害者の現在地(把握している場合):___________
武器の所持:□ なし □ あり □ 不明
【暴力の種別(該当するものすべて)】
□ 身体的暴力 □ 性的暴力 □ 精神的・心理的暴力
□ 経済的暴力 □ デジタル・スマホ監視 □ ストーキング
□ 子どもを利用した支配
【暴力の経緯】
直近の出来事(概略):___________
頻度:□ 単発 □ 断続的 □ 継続中 □ 深刻化している
警察への届け出:□ なし □ あり(結果:___________)
保護命令の有無:□ なし □ あり(発令機関・番号:___________)
【緊急ニーズ】
□ 緊急避難先 □ 医療支援 □ 法律援助
□ 子どもの安全確保 □ 交通手段 □ 生活費支援
□ 在留資格支援 □ その他:___________
【相談員メモ】
_______________________________________________
相談員署名:___________ 日付:___________
テンプレート2:危機介入記録・危険度アセスメント
危機介入記録
相談日時:___________ ケース番号:___________
接触形態:□ 来所 □ ホットライン □ 紹介 □ 警察同行
【相談内容(概要)】
_______________________________________________
【危険度アセスメント(12項目簡易版)】
0=なし 1=あり ※重要指標項目
1. 過去1年間で暴力の頻度・深刻度が増した ___
2. 加害者から「殺す」という脅迫を受けた ___ ※
3. 加害者が銃器または凶器を所持している ___ ※
4. 過去1年間に別れようとしたか、別居を試みた ___
5. 加害者が失業中または経済的に不安定 ___
6. 加害者から首を絞められたことがある ___ ※
7. 加害者が被害者の行動・交友関係を監視している ___
8. 加害者から性的暴力を受けたことがある ___
9. 加害者がアルコール・薬物を乱用している ___
10. 加害者が自殺をほのめかした、または試みた ___
11. 加害者が子どもや第三者への危害を脅迫した ___ ※
12. 加害者がGPS・スマホ等で位置情報を監視している ___
合計点数:___
危険レベル:□ 変動あり(1-7) □ 上昇(8-13) □ 深刻(14-17) □ 最高度(18以上)
【対応内容】
□ 110番通報済み □ 緊急避難先確保 □ 保護命令申立支援
□ 医療機関への同行 □ 子ども家庭支援センターへの連絡 □ 危機対応プロトコル発動
【相談者の意向】
相談者の希望:_______________________________________________
選択肢の説明完了:□ はい 警察への通報同意:□ 同意 □ 不同意 □ 保留
相談員:___________ 上司への報告:□ 済 □ 該当なし 時刻:___________
テンプレート3:安全計画
個別安全計画
作成日:___________ ケース番号:___________ 見直し日:___________
【緊急避難の計画】
緊急時に避難できる場所:___________________________________
持ち出す物:□ 身分証明書 □ パスポート □ 子どもの書類
□ 薬 □ 携帯電話・充電器 □ 現金 □ 鍵 □ 着替え
信頼できる人への合言葉:___________ 合言葉の意味:緊急に連絡が必要
避難手段:___________________________________
【デジタル安全】
□ メール・ SNS・銀行のパスワードを変更済み
□ スマホのアプリ・位置情報共有を確認済み
□ 端末にトラッキングアプリが入っていないか確認済み
□ 加害者が知らない新しいメールアドレスを作成
□ 相談機関の番号から連絡を受ける設定(個人番号を知られない)
安全に使える端末:___________________________________
【法的対応】
□ 保護命令(接近禁止・退去命令)取得済み — 有効期限:___________
□ 保護命令申立中 — 審尋日:___________
□ 警察への被害届提出 — 受理番号:___________
□ 被害記録(写真等)の保管場所:___________
【子どもの安全】
学校への連絡(迎え制限等):□ 済 □ 未 □ 該当なし
学校との合言葉:___________ 学校担当者:___________
【緊急連絡先】
1. ___________________________________
2. ___________________________________
DV相談ナビ:#8008 警察:110
相談者(任意署名):___________ 日付:___________
テンプレート4:保護命令関連記録
保護命令申立支援記録
作成日:___________ ケース番号:___________ 担当相談員:___________
【命令の種別】
□ 接近禁止命令(DV防止法第10条)
□ 退去命令(第10条2号)
□ 電話等禁止命令(第12条)
□ 子ども・親族への接近禁止命令
【手続き状況】
申立先裁判所:___________________________________
事件番号:___________ 申立日:___________ 有効期間:___________
禁止事項(命令の内容):___________________________________
【違反の有無】
日時:___________ 内容:___________________________
警察への連絡:___________ 追加申立:□ 要 □ 不要
【相談員メモ・紹介先】
_______________________________________________
ケースマネジメント記録
シェルター入所記録
記録必須事項:入所日時、居室番号、持参物一覧、ハウスルール説明・同意、服薬情報、医療ニーズ、子どもの就学手続き、現在進行中の法的手続き、緊急連絡先(加害者との関係がないことを確認済みの人物のみ)。
サービス紹介記録
紹介先機関名・紹介日・担当者・結果・フォローアップ予定日をすべて記録します。未追跡の紹介は、支援の空白を生む最大のリスクです。
支援終結・フォローアップ
退所後30・60・90日時点で、安全な方法により連絡を試みます。記録内容:現在の住居状況・保護命令の状況・就労・経済状況の変化・安全上の懸念。連絡不可の場合もその試みを記録します。
AIによる記録業務の効率化
AI活用で記録時間を大幅に短縮できますが、DV支援においては特別なプライバシー保護が不可欠です。
絶対原則:氏名・住所・生年月日・ケース番号などの個人特定情報は、AIツールに絶対入力しないこと。「相談者A」「事例2026-03」などの匿名識別子を使用し、個人が特定されうる情報をすべて除去してからAIを使用してください。
活用法1:電話メモ → インテーク記録
通話後、匿名メモを録音または入力:「30代女性、子ども3人、継続的な身体的・経済的暴力、緊急避難先希望、保護命令なし、危険度スコア約14」。このメモをAiDocxに入力し「DV初回インテーク記録に変換してください」と指示。個人情報は安全なケース管理システム内でのみ記入します。
活用法2:危機面接メモ → 安全計画
面接で確認した安全ニーズを匿名で入力し、AIに安全計画の枠組みを生成させます。合言葉・連絡先・具体的な法的詳細は安全なシステム内でのみ追記します。
活用法3:事実記述 → 保護命令申立書草案
名前なしの事実経過を中立的な文章で入力し、裁判所で通用する文体の申立支援記述草案を生成。法律的援助担当者が内容を確認・個別化します。
記録の安全管理
セキュリティチェックリスト
- 書類は施錠キャビネットまたは暗号化されたシステムで保管
- アクセス権限は業務上の必要に限定
- 被害者の所在地・避難先の情報は監督なしのボランティアがアクセスできないシステムには記録しない
- AIツールは書式生成にのみ使用——クライアントの生データは入力しない
- 情報漏洩時の対応プロトコルを文書化し、定期的に訓練
- 守秘義務研修を年1回以上実施
AI活用ガイドライン
| AI活用内容 | 可 | 不可 |
|---|---|---|
| 空白テンプレートの生成 | ○ | — |
| 匿名化された記述枠組みの作成 | ○ | — |
| 氏名・連絡先の入力 | — | 絶対不可 |
| 加害者情報の入力 | — | 絶対不可 |
| ケースファイルのAIプラットフォームへのアップロード | — | 絶対不可 |
保存期間(目安——都道府県の規定を確認すること)
| 記録種別 | 最低保存期間 |
|---|---|
| インテーク記録 | 5年 |
| 危険度アセスメント | 10年 |
| 保護命令関連記録 | 命令終了後5年 |
| 危機介入記録 | 5年 |
| 終結ケース(成人) | 終結後5年 |
| 未成年が関わる記録 | 成年後10年 |
よくある質問
Q:被害者から記録の開示請求があった場合、どう対応すればよいですか?
原則として被害者には自分の記録を請求する権利があります。ただし、開示によって本人または第三者の安全が危険にさらされる場合は拒否できる規定を設けている自治体もあります。開示前に必ず組織の法律顧問に相談してください。
Q:裁判所から記録の提出命令(文書送付嘱託・提出命令)が届いた場合は?
直ちに応じないでください。組織の法律顧問に連絡し、弁護士の指示に従ってください。DV支援機関には守秘義務が課されており、裁判所への提出に際しては法的保護の範囲を確認することが必要です。受領した命令書とその後の対応を詳細に記録してください。
Q:被害者が加害者のもとに戻ることを選択した場合、記録にはどう記載すべきですか?
事実のみを記録してください:被害者が何を伝えたか、どの選択肢と情報を提供したか、被害者の自己決定による選択。判断的な表現は避けること。被害者が暴力的な関係から最終的に離れるまでに平均7回の往復があると言われています。「戻った=ケース終了」ではなく、将来の連絡方法と次のステップを記録に残し、扉を開いたままにしておきます。
まとめ
DV支援の記録業務は、社会福祉分野の中で最も記録要件が重く、かつ最も結果が重大な業務のひとつです。危険度評価の記載漏れ、不完全な安全計画、根拠が薄い保護命令申立書は、文字通り命取りになりかねません。
このガイドのテンプレートは実用性を最優先に設計されています。ケース管理システムにコピーし、各自治体の法的用語に合わせて調整し、チーム全員が一貫して使えるよう研修してください。AiDocxのようなAIツールは枠組み生成と記述の草案作成時間を短縮し、相談員が直接支援に集中できる時間を増やします。
テクノロジーで業務を速く。直感・共感・専門的判断はAIが代替できません——そこにこそ、相談員の価値があります。
リソース:DV相談ナビ #8008 | 女性の人権ホットライン 0570-070-810 | 各都道府県配偶者暴力相談支援センター
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