スタートアップ知的財産(IP)譲渡契約ガイド(2026年版):特許・著作権・商標の移転テンプレート
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スタートアップ知的財産(IP)譲渡契約ガイド(2026年版):特許・著作権・商標の移転テンプレート

スタートアップ向けIP譲渡契約書の無料テンプレートを提供。特許権、著作権、商標権の移転に必要な条項、職務発明、対価算定、VCが指摘するIPの落とし穴を解説。

MinjiLee MinjiLee · Strategic Lead 2026年2月17日 14 分で読める

スタートアップ知的財産(IP)譲渡契約ガイド(2026年版):特許・著作権・商標の移転テンプレート

スタートアップの資金調達において、知的財産(IP)の帰属が曖昧であることが致命的なリスクになるケースが増えています。VCのデューデリジェンスでIPの帰属に問題が見つかり、投資がストップしたという事例は珍しくありません。

契約書一枚に何日もかける必要はありません。AiDocxなら、AIの下書きから署名まで一杯のコーヒーで終わります。

本記事では、スタートアップが知っておくべきIP譲渡契約の基本から、コピペ可能なテンプレートまで網羅的に解説します。

スタートアップが直面するIP問題トップ5

No. 問題 リスク 発生頻度
1 創業者の個人保有IPが会社に未移転 VCが投資拒否 非常に高い
2 業務委託先の成果物の著作権が未取得 競合に技術流出 高い
3 従業員の職務発明の帰属が未整備 退職時に権利主張 高い
4 OSSライセンス違反 プロダクトの利用停止 中程度
5 商標未登録 第三者に先願される 中程度

IP譲渡契約書テンプレート

特許権譲渡契約

特許権譲渡契約書

譲渡人〇〇(以下「甲」という。)と譲受人株式会社〇〇(以下「乙」という。)は、以下のとおり特許権の譲渡に関する契約を締結する。

第1条(譲渡の対象)

甲は乙に対し、以下の特許権(以下「本件特許権」という。)を譲渡し、乙はこれを譲り受ける。

  • 特許番号:特許第〇〇〇〇〇〇〇号
  • 発明の名称:〇〇〇
  • 出願日:〇年〇月〇日
  • 登録日:〇年〇月〇日

第2条(譲渡対価)

  1. 乙は甲に対し、本件特許権の譲渡対価として金〇〇万円(消費税別)を支払う。
  2. 支払方法:乙は本契約締結後30日以内に、甲の指定する銀行口座に振り込む。振込手数料は乙の負担とする。

第3条(移転登録)

  1. 甲は、前条の対価受領後速やかに、本件特許権の移転登録に必要な書類を乙に交付する。
  2. 移転登録の費用は乙が負担する。
  3. 甲は移転登録手続に必要な協力を行う義務を負う。

第4条(保証)

甲は乙に対し、以下の事項を保証する。

  1. 甲が本件特許権の正当な権利者であること
  2. 本件特許権について、第三者への実施許諾、質権設定その他一切の負担がないこと
  3. 本件特許権について、第三者との間で紛争が存在しないこと
  4. 甲の知る限り、本件特許権が第三者の権利を侵害していないこと

第5条(瑕疵担保)

  1. 前条の保証に違反した場合、甲は乙に生じた損害を賠償する。
  2. 本件特許権に無効理由が存在し、無効審判により権利が消滅した場合、甲は受領済みの譲渡対価を乙に返還する。

著作権譲渡契約

著作権譲渡契約書

譲渡人〇〇(以下「甲」という。)と譲受人株式会社〇〇(以下「乙」という。)は、以下のとおり著作権の譲渡に関する契約を締結する。

第1条(譲渡の対象)

甲は乙に対し、甲が創作した以下の著作物(以下「本著作物」という。)に関する一切の著作権(著作権法第27条に定める翻訳権、翻案権等および同法第28条に定める二次的著作物の利用に関する原著作者の権利を含む。)を譲渡し、乙はこれを譲り受ける。

  • 著作物の名称(内容):〇〇〇(ソフトウェアプログラム / デザインデータ / ドキュメント等)
  • 創作日:〇年〇月〇日
  • 媒体:〇〇

第2条(著作者人格権の不行使)

甲は乙に対し、本著作物に関する著作者人格権(公表権、氏名表示権、同一性保持権)を行使しないものとする。

第3条(保証)

甲は乙に対し、以下の事項を保証する。

  1. 本著作物が甲の独自の創作物であること
  2. 本著作物が第三者の著作権その他の権利を侵害していないこと
  3. 本著作物について、第三者に著作権の譲渡、利用許諾その他の処分を行っていないこと

注意:著作権法第27条・第28条の権利は、契約書に明記しないと譲渡されないとする判例(最高裁平成14年9月30日判決参照)があります。「一切の著作権」だけでは不十分な場合がありますので、必ず明記してください。

商標権譲渡契約

第1条(譲渡の対象)

甲は乙に対し、以下の商標権を譲渡し、乙はこれを譲り受ける。

  • 商標登録番号:第〇〇〇〇〇〇〇号
  • 商標:〇〇
  • 指定商品・指定役務:第〇類「〇〇」

第2条(関連商標)

甲が保有する商標のうち、本件商標と類似する商標(以下「関連商標」という。)がある場合、甲は関連商標も同時に乙に譲渡する。(商標法第24条の4:類似商標の分離移転の制限)

職務発明制度と従業員のIP

特許法第35条(職務発明)

2015年の特許法改正により、職務発明に関する制度が大幅に変更されました。

項目 改正前 改正後(現行)
権利の帰属 従業員に原始帰属 勤務規則により会社帰属可能
対価 相当の対価 相当の利益(金銭以外も可)
基準 裁判所が判断 社内手続の合理性を評価

職務発明規程のテンプレート

職務発明規程

第1条(目的) 本規程は、特許法第35条に基づき、従業員等が行った職務発明に関する権利の帰属および相当の利益の内容を定めることを目的とする。

第2条(定義)

  1. 「職務発明」とは、従業員等が現在または過去の職務に属する発明をいう。
  2. 「従業員等」とは、当社の役員、正社員、契約社員、パートタイム従業員をいう。

第3条(権利の帰属) 職務発明に関する特許を受ける権利は、発明の完成と同時に当社に帰属する。

第4条(届出) 従業員等は、職務発明を行った場合、速やかに所定の発明届出書を当社に提出する。

第5条(相当の利益)

  1. 当社は、職務発明を行った従業員等に対し、以下の基準により相当の利益を付与する。
    • (1) 出願時報奨:1件につき金〇万円
    • (2) 登録時報奨:1件につき金〇万円
    • (3) 実績報奨:当該発明により当社が得た利益の〇%
  2. 相当の利益の基準は、従業員等との協議、開示、意見聴取の手続を経て定めるものとする。

スタートアップがよく見落とすIPの落とし穴

1. 創業前の開発成果物

創業者が会社設立前に個人として開発したプロダクトのIPは、自動的に会社には帰属しません。設立時にIP譲渡契約を締結する必要があります。

2. 外部委託先の成果物

業務委託契約にIP条項がない場合、受託者(開発者)に著作権が帰属する可能性があります。

  • 業務委託契約にIP譲渡条項が含まれているか
  • 著作権法第27条・第28条の権利が明記されているか
  • 著作者人格権の不行使条項があるか
  • ソースコードの引渡し義務が明記されているか

3. 共同創業者の退職

共同創業者がIP譲渡契約を締結していない状態で退職した場合、その創業者が開発に関与したIPについて権利を主張する可能性があります。

4. OSSライセンスの確認

ライセンス 種類 ソースコード公開義務 商用利用
MIT Permissive なし
Apache 2.0 Permissive なし
GPL v3 Copyleft あり(派生物含む) 可(条件あり)
AGPL v3 Copyleft あり(SaaS含む) 可(条件あり)

VC DD(デューデリジェンス)で指摘されるIPチェック項目

VCのDD時に必ず確認されるIP関連項目は以下の通りです。

  • 会社の事業に必要なすべてのIPが会社に帰属しているか
  • 創業者全員がIP譲渡契約を締結しているか
  • 従業員全員が職務発明規程に同意しているか
  • 外部委託先との契約にIP譲渡条項が含まれているか
  • OSSライセンスの監査が完了しているか
  • 商標が適切に出願・登録されているか
  • 第三者からのIP侵害の警告がないか

AiDocxでIP管理を効率化

AiDocxを使えば、IP譲渡契約書、職務発明規程、業務委託契約のIP条項を含むテンプレートをAIが自動生成します。また、VDR(バーチャルデータルーム)機能で、DD時のIP関連書類を安全に共有・管理できます。

IP譲渡契約と実施許諾契約の使い分け

項目 譲渡契約 実施許諾(ライセンス)契約
権利の移転 完全に移転 使用権のみ付与
費用 一括対価 ロイヤルティ(継続的)
適するケース コアIPの取り込み 非コアIPの利用
リスク 高額な初期投資 ライセンサーの破綻リスク

まとめ

スタートアップにとって知的財産は最も重要な資産です。資金調達の前にIPの帰属を完璧に整理し、適切な譲渡契約を締結しておくことが、VCからの投資を成功させるための必要条件です。本記事のテンプレートを活用し、早期にIP管理体制を構築してください。

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