SLA(サービスレベル契約書)テンプレート無料(2026年版):SaaS・ITサービスの必須条項
SLA サービスレベル契約 SaaS ITサービス テンプレート

SLA(サービスレベル契約書)テンプレート無料(2026年版):SaaS・ITサービスの必須条項

SLA(サービスレベル契約書)の無料テンプレートを提供。SaaS・ITサービスの可用性、応答時間、復旧時間、ペナルティ/クレジット条項をコピペ可能なひな形で完全解説。

Chloe Chloe · Product Manager 2026年2月19日 13 分で読める

SLA(サービスレベル契約書)テンプレート無料(2026年版):SaaS・ITサービスの必須条項

「システムが止まったら損害は誰が負担するのか?」――SaaS契約やITサービス契約において、SLA(サービスレベル契約)はこの問いに対する回答です。しかし、SLAの条項が曖昧だと、障害発生時に「言った・言わない」の争いになりかねません。

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本記事では、SaaS・ITサービスにおけるSLAの必須条項と実務テンプレートを提供します。

SLAの核心指標

SLAで定めるべき核心的なサービスレベル指標は以下の通りです。

指標 英語名 定義 典型的な水準
可用性 Availability サービスが正常に利用可能な時間の割合 99.9%(Three Nines)
応答時間 Response Time 障害報告から初回対応までの時間 重大障害:15分以内
復旧時間 Recovery Time 障害発生からサービス復旧までの時間 重大障害:4時間以内
解決時間 Resolution Time 障害の根本原因が解決されるまでの時間 重大障害:24時間以内
RPO Recovery Point Objective データ損失の許容範囲 1時間以内
RTO Recovery Time Objective システム復旧までの目標時間 4時間以内

可用性の計算式

可用性(%)=(月間総時間 − 計画外ダウンタイム)÷ 月間総時間 × 100

可用性 月間許容ダウンタイム 年間許容ダウンタイム
99.0% 約7時間18分 約87時間36分
99.5% 約3時間39分 約43時間48分
99.9% 約43分48秒 約8時間46分
99.95% 約21分54秒 約4時間23分
99.99% 約4分23秒 約52分34秒

SLAテンプレート:必須条項

第1条 サービスレベルの定義

第1条(サービスレベルの定義)

  1. 甲(サービス提供者)は乙(利用者)に対し、本契約の別紙「サービスレベル仕様書」に定めるサービスレベル(以下「SLA」という。)を維持する義務を負う。
  2. SLAの測定期間は暦月単位とし、毎月1日から末日までの1ヶ月間を1測定期間とする。
  3. 以下の時間は、可用性の計算から除外する。
    • (1) 甲が事前に通知(5営業日前まで)した計画メンテナンス時間
    • (2) 乙の責めに帰すべき事由による停止時間
    • (3) 不可抗力(天災、戦争、テロ、電力供給の中断等)による停止時間
    • (4) 甲の管理範囲外のインフラストラクチャ(クラウドプロバイダ等)の障害による停止時間

第2条 障害の分類

第2条(障害の分類と対応時間)

障害は以下のとおり分類し、各分類に応じた対応時間を適用する。

分類 定義 初回応答 復旧目標 解決目標
重大(Critical) サービス全体が停止、または主要機能が利用不能 15分以内 4時間以内 24時間以内
高(High) 主要機能の一部が利用不能、代替手段なし 30分以内 8時間以内 48時間以内
中(Medium) 一部機能の障害、代替手段あり 2時間以内 24時間以内 5営業日以内
低(Low) 軽微な不具合、操作性の問題 4時間以内 対応は次回リリース 次回リリース

第3条 サービスクレジット

第3条(サービスクレジット)

  1. 測定期間中に甲がSLAを達成できなかった場合、甲は乙に対し以下のサービスクレジットを付与する。
月間可用性 サービスクレジット(月額料金に対する割合)
99.9%以上 なし
99.0%以上〜99.9%未満 月額料金の10%
95.0%以上〜99.0%未満 月額料金の25%
95.0%未満 月額料金の50%
  1. サービスクレジットは、乙の翌月以降の利用料金から控除する。現金による払戻しは行わない。
  2. 乙がサービスクレジットを請求する場合、SLA未達の翌月末日までに、書面により甲に申請するものとする。
  3. 各測定期間のサービスクレジットの上限は、当該期間の月額料金の50%とする。

第4条 計画メンテナンス

第4条(計画メンテナンス)

  1. 甲は、サービスの安定運用のため、定期的な計画メンテナンスを実施する。
  2. 計画メンテナンスのスケジュールは以下のとおりとする。
    • 定期メンテナンス:毎月第2日曜日 午前2:00〜午前6:00(日本時間)
    • 緊急メンテナンス:セキュリティ上の緊急対応が必要な場合、24時間前の事前通知
  3. 計画メンテナンスの変更は5営業日前までに乙に通知する。
  4. 計画メンテナンスの月間合計時間は〇時間を超えないものとする。

第5条 報告義務

第5条(サービスレベル報告)

  1. 甲は毎月10営業日以内に、前月のサービスレベル実績報告書を乙に提出する。
  2. 報告書には以下の内容を含める。
    • (1) 月間可用性の実績値と計算根拠
    • (2) 発生した障害の一覧(分類、発生日時、復旧日時、原因、対策)
    • (3) 各障害の応答時間・復旧時間の実績
    • (4) サービスクレジットの発生有無と金額
    • (5) 翌月の計画メンテナンス予定
  3. 甲は四半期に1回、サービスレベルのトレンド分析と改善計画を乙に報告する。

第6条 監視体制

第6条(監視体制)

  1. 甲は、24時間365日の監視体制を維持し、障害の早期検知に努める。
  2. 障害検知後、甲は速やかに乙の指定連絡先に障害の概要を通知する。
  3. 甲は、監視ツールのダッシュボードをリアルタイムで乙に提供する。

第7条 エスカレーション

第7条(エスカレーション)

重大障害が発生した場合のエスカレーション体制は以下のとおりとする。

レベル 対応者 タイミング
L1 運用担当者 障害検知後直ちに
L2 チームリーダー 検知後30分以内に解決しない場合
L3 部門長 検知後2時間以内に解決しない場合
L4 経営層 検知後4時間以内に解決しない場合

第8条 SLAの見直し

第8条(SLAの見直し)

  1. 甲乙は、毎年〇月に定期レビューを行い、SLAの内容を見直す。
  2. 技術環境の変化、事業要件の変更その他の事由により、SLAの変更が必要な場合は、甲乙協議の上、書面により変更する。

SLA設計のベストプラクティス

やるべきこと

  • 測定方法と計算式を明確に定義する
  • 障害の分類を具体的な事例とともに定める
  • サービスクレジットの上限を設定する
  • 計画メンテナンスの除外時間を明記する
  • 報告義務と報告頻度を定める
  • エスカレーション体制と連絡先を定める

避けるべきこと

  • 「最善の努力」(best effort)のみの曖昧な表現
  • 測定方法の定義なしの可用性保証
  • 実現不可能な99.999%(Five Nines)の設定
  • サービスクレジットの上限なし
  • 除外事項の定義なし

SaaS型サービスとオンプレミス型の比較

項目 SaaS型 オンプレミス型
可用性の責任 サービス提供者 顧客(自社運用)
SLAの標準水準 99.9%〜99.95% 個別に設計
メンテナンス 提供者が実施 顧客が計画・実施
クレジット形態 利用料金からの控除 ペナルティ(金銭賠償)
柔軟性 提供者の標準SLA カスタマイズ可能

SLAの法的効力と免責

SLAは法的拘束力を持つ契約条項です。ただし、実務上はSLA未達のペナルティをサービスクレジットに限定し、損害賠償とは分離するのが一般的です。

第9条(免責)

  1. 甲がSLAを達成できなかった場合の乙の唯一の救済手段は、第3条に定めるサービスクレジットの付与とする。ただし、甲の故意または重過失による場合はこの限りでない。
  2. サービスクレジットは、甲のSLA未達に対する予定損害賠償として機能し、乙はSLA未達を理由とするその他の損害賠償請求権を放棄する。

SLAの交渉ポイント

交渉項目 サービス提供者の立場 利用者の立場
可用性の水準 99.9%を上限に 99.95%以上を要求
除外時間 計画メンテナンス、第三者インフラ障害 除外条件を最小限に
クレジット上限 月額料金の30%まで 月額料金の100%まで
測定方法 自社モニタリングツール 第三者の監視ツール
報告頻度 四半期ごと 月次
SLA未達の累積 各月で独立に判断 3ヶ月連続未達で解約権

第10条(SLA未達の累積による解除権)

3ヶ月連続してSLAを達成できなかった場合、乙は甲に対し書面で通知することにより、本契約を解除できる。この場合、甲は前払い済みの利用料金のうち未消化分を日割りで返金する。

業種別SLA水準の目安

サービス種別 推奨可用性 RPO RTO 根拠
基幹業務SaaS 99.95% 1時間 2時間 業務停止の影響大
コミュニケーション 99.9% 4時間 4時間 代替手段あり
バックオフィス 99.5% 24時間 8時間 日次処理が多い
開発ツール 99.5% 4時間 4時間 ローカルで代替可
Webサイト 99.9% 1時間 1時間 売上直結

AiDocxでSLAを効率的に作成

AiDocxを使えば、サービスの種類に応じたSLAテンプレートをAIが自動生成します。可用性の水準、サービスクレジットの計算式、エスカレーション体制まで、業界のベストプラクティスに基づいた条項を提案します。

まとめ

SLAは、サービス品質の約束を数値で明確にすることで、提供者と利用者の信頼関係を構築する重要な文書です。本記事のテンプレートを活用し、自社のサービスに最適なSLAを設計してください。

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